ラピッドトリガーに対応するゲーミングキーボードを以前まとめましたが、また1つ新たなキーボードが加わりました。→『ラピッドトリガーのゲーミングキーボードをまとめました』
Yuki Aim Polar 65(Katana Edition)を販売する会社Arbiter Studioのゲーミングキーボードで、ふもっふのおみせで購入できます。以前のYuki Aim Katana Editionは残念ながら数量限定だったため、購入はほぼ不可能と言える状況を考えると、国内から同メーカーの製品が買えるようになったことは朗報です。
Arbiter Studio Polar 65の主な仕様
まずスペックから。ざっくり表にまとめたのが下記です。
サイズ | 65%(キー数68) |
レイアウト | US配列 |
キースイッチ | Fuji – 36gリニア ホール効果磁気スイッチ |
押下圧 | 初期36g,総合60g |
ホットスワップ | 対応 |
アクチュエーションポイント | 0.1mm~3.8mm |
キーストローク | 4mm |
耐久性 | 1億回以上 |
バックライト | RGB プリセット照明効果16モード |
接続性 | 取り外し可能な有線USB 2.0(USB-C to A) |
フレーム | CNCアルミニウム |
キーキャップ | 1.3mm厚デュアルショットPBT KOPプロファイル |
取付板 | アルマイトアルミニウム |
ポーリングレート | 1,000Hz |
OSの互換性 | Windows11,10 |
重量 | 990g (キーボードのみ) |
サイズ | 315×109×40mm |
ケーブル | パラコードUSB |
ケーブル長さ | 1.8m |
2023年11月時点の購入価格は、公式サイトでは150ドルの表記、ふもっふのおみせで27,980円となっています。
ラピッドトリガー対応で同じ65%サイズのキーボードで比較すると、より安価なDrunkDeer G65は現状16,500円を考えるとやや高級品に見えてきます。特に造りに焦点を当てると、Arbiter Studio Polar 65はCNCアルミニウムであるのに対しDrunkDeerのケース素材はABSのプラスチック。またDrunkDeerは個人的に打鍵音もちょっと安っぽさを感じてしまい、性能以外の面で価格差がついていると思います。
外観
サイズは65%のコンパクトサイズです。60%キーボードに比べて右端に一列追加されたサイズ感で、右端の一列でアクチュエーションポイントの調整が可能です。個人的には必須レベルでゲーミングキーボードはコンパクトであって欲しい。マウスを激しく振ることでキーボードにぶつける心配を最小限にできます。
注意したいのはUS配列のみでJIS配列(日本語配列)はない点。JIS配列でなければタイピングに支障をきたす人は購入を控えるべきです。キー配列が変わると慣れるまでは小さなストレスを感じ続けます。ただ圧倒的にUS配列がお勧め。こういった海外メーカーから新しいキーボードが出た場合、基本はUS配列のみでJIS配列はまず用意されません。普段からUS配列に慣れていれば、海外の新製品をストレスなくすぐに取り入れられるので、キーボードの選択肢が一気に増えてきます。
キーボードのカラー展開を公式サイトを見ると次の画像の通り8種類。ただ国内で販売するふもっふのおみせでは「Ronin Red」のフレームがシルバーのものだけのようです。どうしても他の配色を手にしたい場合は公式サイトから個人輸入せざるを得ないようです。大手メーカーが販売するラピッドトリガー対応キーボードは、黒一色とカラー展開が乏しいことを考えると高い性能面と遊び心のある外観は他のメーカーにはない強み。今後国内からも色んなカラーが選べればさらに需要は高まりそう。
性能
性能面で注目なのはスイッチです。Fuji磁気スイッチと呼ばれる磁気スイッチを搭載しています。
押し始めの押下圧が36gとあってやや軽く、総合的に60gとしっかりとした押し心地が想像できます。押し始めから底に行くにつれて徐々に重くなる感触。ラピッドトリガー対応キーボードの中でREALFORCE GX1のように常に押下圧が一定のものと比べると、しっかりとしたキーの跳ね返りを指に感じられるでしょう。押し始めが30gで底打ち60gの押下圧であるラピッドトリガー対応のELECOM VK600Aと数値上は近い。
なお、Yuki Aim Katana EditionのスイッチはGateronとの共同設計したものと異なり、少しだけ押下圧は重めになっています。両製品ともGateron社製のスイッチにホットスワップが可能で、万が一のチャタリングが起きても交換可能。
このスイッチにより可変アクチュエーションポイントも実現。0.1mm~3.8mmで調整でき最短0.1mmに設定が可能です。わずか0.1mmキーを押しただけ反応するためFPSやTPSといったゲームではもはや必須と言っていい。同じような価格帯とキーボードのサイズで、最短0.1mmが可能なのはHuntsman V3 ProやApex Pro。日本語配列を妥協できない人はこの2つが無難。サイズ展開も豊富でTKLサイズもあり万人受けが高いのはやはり大手メーカーが強い。
また、多くのゲーミングキーボードはソフトウェア上でアクチュエーションポイントを変更しますが、Arbiter Studio Polar 65はソフトウェアなしで可能です。下記のようにショートカットを駆使することで感度設定できるのは面白い試み。キーボード操作が苦にならない方にはむしろショートカットの方が手っ取り早いですね。
性能面で注意したいのはラピッドトリガー。当然、対応はしていますが常時ラピッドトリガーがオンの状態で、オフにできません。ちなみに、アクチュエーションポイントを設定すると自動的にラピッドトリガーの数値も決まるようです。アクチュエーションポイントを浅く設定すると、その距離に応じたラピッドトリガーが決まるとのこと。
キー1つ1つのオンオフを切り替えられたり、ラピッドトリガーの距離を微調整できたり、細かい設定ができないためキーごとに設定したい人は注意です。WASDだけラピッドトリガーを設定したいとか、特定のキーだけアクチュエーションポイントとリセットポイントの距離を長くしたいとかはできない。そういった機能を求める人にとって現状では細かい設定が可能なREALFORCE GX1やHuntsman V3 Proが選択肢として挙がります。
最後にポーリングレートに関して見ると1,000Hzと全く問題ない数値で、元祖ラピッドトリガー対応キーボードのWooting 60HEなどと変わりません。ポーリングレートは、1秒間に何回デバイスからPCへ情報を送るかを示す数値ですが、中には8,000Hzのゲーミングキーボードもあります。Corsair K70 MAXはポーリングレート8,000Hzが特徴のラピッドトリガー対応のキーボードです。フルサイズのみなのが使う人を選びますが。
どうやらスイッチとスタビライザーにはルブされた状態で販売されるようで細やかな気遣いを感じます。個人的には、キーキャップの「KOPプロファイル」というのは聞いたことがなく、画像を見る限りけっこう肉厚なキーキャップのように見えて面白そうです。打鍵感も期待できます。何やら下の画像のようなおまけ付きのようで、キーボードにゲームを有利にする機能を求めるだけでなく視覚的にも楽しみたい人にはいい製品ではないでしょうか。