地方の国立大学卒業して沖縄に移住した現実。一人暮らしの生活費。

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沖縄に来て10年以上が経過している。

ど田舎で生まれて特に深く考えずに公立の学校に進み、偏差値50ぐらいの県内の大学に進学した。地元では、国立であることだけで一定数の人間にはある程度の信頼を受ける一方、無能でも行ける大学と揶揄する人間もいる。ろくに志もないまま大学4年を迎えて次に進む学校もなく、22歳のこの時に沖縄に移住することを決めた。十分に自分の行く末を考えず進路を決めてきたこともあって、初めて自分で自分の生き方をちゃんと決めたようなもんだった。

マリンスポーツが好きとか南国の自然に囲まれた生活を送りたいとか、そんな願望は一切なかった。そもそも沖縄以上に田舎の地方で生きてきたし「美しい海」を求めて移住するわけでもない。ただ単に雪も降らない年中暖かい気候で生活を送りたいだけだった。実際に住んでみて、沖縄に対する幻想と分かった1つが年中暖かく過ごしやすい気候。冬はしっかり寒いし夏は暑すぎる。過ごしやすさは個人による。

ここで大きな挑戦をしたわけでも目立った成果を挙げられたわけでもなく、質素な生活というか貧相な生活を送り続けてアラフォーになった。地方で日本の平均として生きてきたつもりの人間が、大学卒業後に少し道を外れて沖縄に移住した現実をだらだら書いてみる。

FUJIFILM X-S10で撮影
目次

結局お金

沖縄で過ごしてきて、だいたいの不満はお金がないことに起因する。

大半の大学生が、3~4年で就職活動をはじめとする次の身分を決める準備をする中、私は一切やらなかった。エントリーシートを書くことも企業訪問することもなく、かといって公務員試験を受けることもなかった。正確には、大学卒業間近の2月~3月に沖縄で就職活動はしたものの、一般的な学生とは丸っきり異なる。

当時は、物欲とか広い家に住みたいとか願望はなく、お金をそこまで欲しておらず、本気で月10万円あれば生きられると思い込んでいた。それゆえ大企業だの安定した職種だのに全く興味もなく、就職活動する人間が不思議でならなかった。ハローワークで出来る限り短い就業時間のしんどくなさそうな仕事を選ばいい。そう思って大学の授業が終わった2月に沖縄へ行き、那覇市おもろまちにあるハローワークで仕事を探した。

今思えば後悔しかない。当時は測ることが出来なかった新卒22歳という価値を、今頃になって思い知らされている。少しでも休日と給与の多い職場に就くために、他の学生同様、新卒採用を行う企業を目指すべきだった。沖縄のハローワークで就職した最初の職場は、記載されていた就業時間とは程遠く、業務後の接待と飲み会も重なり自宅には寝に帰る日も多かった。ハローワークに募集されている仕事の九分九厘は、新卒で入れる企業の雇用条件より良いはずがない。そんなことに歳を取って手遅れになってから気がついた。おもろまちのハローワークの担当者が、職探しをする国立大卒22歳の自分に「他にもっといい所があるのでは」と怪訝そうに忠告したことを聞き流さなければ良かった。

新卒として学生の早くに就職活動をしていれば、今以上に余裕のある生活が送れていたのかもしれない。アラフォーになった今の手取りは月20万ほど。年収にして300万ぐらい。歳を重ねる中でお金が必要な場面もあり、趣味嗜好が変わってお金がもっとあればと嘆くことも増えた。心身ともに健康的に生きるには結局お金が必要だ、22歳の何も分かっていない自分に叫び強く訴えたい。

月の生活費

沖縄でのアラフォー独身男の生活費を雑にまとめてみると次のような感じ。2024年夏の状況。

家賃50,000円
食費/雑費50,000円
電気代10,000円
ガス代5,000円
水道代5,000円
保健医療費3,000円
ガソリン代6,000円
自動車保険2,500円
スマホ通信費2,000円
光回線6,000円
サーバー代等1,300円
奨学金返済10,000円
150,800円

どんぶり勘定で月15万の支出。

家賃5万円は、沖縄本土で比較的人口の多い市にある、築浅の異常なほど狭いワンルームアパートの値段。通勤時間を短縮するためなるべく職場の近くで、構造上騒音トラブルの少なそうな物件を選んだ。移住直後から10年以上は、家具家電付きで家賃4万5千円ほどのレオパレスに住んでいたが、部屋独自の光回線を引くことが出来ず引っ越すことになった。

沖縄移住で支出を抑えるためにレオパレスは選択肢としてありだと思う。家賃を抑えられるほか、住んでいた当時は家電製品が故障した場合は無償で交換してもらえて、近隣トラブルに迅速に対応しもらえるなどサポートは手厚かった。偏見強めではあるが、レオパレスに住まざるを得ないモラルの低い入居者によるトラブルと、夜と休日は使い物にならないレオネットと呼ばれるネット回線に我慢できるなら、という条件をクリア出来ればの話。

月5万くらいの食費/雑費の多くは、サンエーとマックスバリュで購入するカット野菜と肉、米、水、お菓子。若い頃は健康と引き換えに極限まで安く抑えていたが、30代になって野菜と肉を摂るようにしてから出費が増えている。若い頃平気だった水道水は、今では飲めたもんじゃない。沖縄の物価は安くない上に最近はどれも値上げの傾向で、昇給が望めない職場に働く中年の預金と健康は日々擦り減っている。

沖縄でよく見るランタナとおぼしき植物

1万円ほどの電気代は、1年間で最も高くなる夏場の値段。クーラーを使わない冬場は3千円ほどになる一方、お湯を使うことが増えるのでガス代が上がる。年間の半分はクーラーなしでは生きていけない気候が体質に合わず、クーラー稼働と同時に睡眠不足に陥り日常の行動の質が明らかに落ちている。

車社会の沖縄で今のガソリン代は1L160円ほど。保険と合わせて月1万円に満たない出費ではあるが、車はこの他に車検や部品交換、修理といった臨時出費の方が重くなる。とにかく安さ優先で購入した軽自動車に恥を忍んで乗っているが、先ほどの表に掲載していない維持費の方がでかい。

ネット関係で支払っているのは、ドコモのirumoとドコモ光回線、あとはこの自己満ブログ用のサーバードメイン代。アパートに無料の共有回線があるものの、夜や休日は速度が落ちるので部屋独自の光回線を引いている。職場と買い物以外は外に出ない引きこもりにとって回線速度は譲れないのだ。

不定期な出費も

基本の生活費は先ほどの通りだがこれ以外の出費もある。

  • 車の臨時出費
  • 被服費
  • 娯楽費

ざっくりこの3つ。

最もでかいのが車関係の出費。車を持てばお金が自然に消える。6か月点検に12か月点検、2年に1度の車検、さらに税金に駐車場代(これは家賃に含まれている)。突如としてライトが消えたり異音を発し始めたり、クーラーが効かなくなったり、高温多湿の沖縄では車が劣化しやすいようで今まで故障の度に修理費がかかってきた。車なしの生活をシミュレーションしたものの、仕事関係で遠出することや通勤時の暑さや暴風雨をしのげること、重量のある買い物に便利なことを考えると手放せない。

11万km以上走っているこの車は車検ごとに10万円近くかかってきた。走行距離10万kmを超えるとタイミングベルトの交換時期を向かえるため、買い替えを検討しているがこれまた大出費になる。現時点で新車の軽自動車は最安値でも100万円ほど。これまで50万円ほどの中古車しか手を出してこなかったが、維持費を考えれば新車の方がいいのではと思い始めている。

毎月の生活費と臨時出費に備えて細々と貯金しつつ、不定期に仕事着やユニクロの服、身の丈に合わないハイエンドなものも含めたガジェット類を買っている。死ぬ間際に確実に必要なかったと言えるほど何個もキーボードやマウスを買ったり、中古の軽自動車ぐらいするPCを買ったりして、購買行動で一時的に憂鬱な気分を晴らし、金がない事実にまた憂鬱になっている。


生活がままならい程ではないが、世の同世代と比べればわびしい生活を沖縄で送っていることは間違いない。ただ、好きなガジェットに触れている時間は多少なりとも心地よさはあって、一眼ミラーレスの購入きっかけで沖縄の自然とか文化とか、おっさんになった今になって興味を持ち始めている。

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