何やら画素数がそこまで高くない昔のiPhoneで撮る写真がいい感じらしいです。昔の色味や画質の粗さなど、そこまで解像感が高くない画の作りがエモいとか味があるとか言われています。残念ながらiPhoneを持っていないどころか、スマホデビューも人より遥かに遅いため、そこまで昔のスマホは持っていません。
人生で初めて購入したスマホは、2021年3月に買ったXiaomiのRedmi Note9S。3年以上経過した今でも使っています。電話使う機会は皆無に近く、ネットやSNS、バーコード決済が主な用途。多少の不満はありますが、23,360円で買ったことを考えるといい買い物でした。
最新機種ではないものの、Redmi Note9Sのカメラは4800万画素のため、撮った写真が懐かしい画質にはなりません。エモさは感じないカメラのスペックです。
古いスマホは持ってはいませんが、けっこう前にiPod touchを買っていたことを思い出しました。いくらぐらいで買ったのかも覚えておらず、音楽を聞く目的での購入だったと記憶しています。クローゼットの奥深くに眠っていたiPod touchとLightningケーブルを引っ張り出し充電してみました。
久しぶりに触れるとサイズ感にビビります。めちゃくちゃ小さい。123.4×58.6×6.1mmで88g。Apple製品のミニマルでシンプルなデザインは、いつ見てもほれぼれします。iPhoneが欲しくなります。
昔のガジェットのため機能面が劣っていることもあって、その分コンパクトなんでしょうが、特にこの薄さが凄まじい。壊れないか心配なレベル。ただ過去に使っていて不具合は一度も起こらなかった代物。
古いiPhoneがないので、この昔のiPod touchで写真を撮ってみようと思います。一応この機種のカメラのスペックは確認しておきます。
iPod touchのスペック
iPod touchの背面に、Model A1421と記載していることから、iPod touch(第5世代)ということが判明。
調べてみると、iPod touch(第5世代)は2012年9月に発売され、持っているものは64GBモデルでした。発売価格は33,800円だったみたいです。気になるカメラ性能は、5メガピクセルiSightカメラで、500万画素裏面照射型CMOSと記載してあります。
500万画素と低スペックです。今回のエモい写真を撮るためにぴったりな性能ぶり。
ちなみに、2007年の初代iPhoneは200万画素、2009年のiPhone3GSは300万画素、2010年のiPhone4は500万画素。iPhone4Sになると800万画素になるので、私の持っているiPod touch(第5世代)は、だいたい2010年のiPhone4の同じカメラ性能なんでしょう。
500万画素のiPod touchで撮ってみた
まずデスク周りにあった物をiPod touchで撮ってみます。
デスクライト越しのFUJIFILM X-S10。普段使っているカメラを撮影してみました。私の目には何のエモさも懐かしさもあまり感じられません。普通にきれい。
もしかしたら物撮りでは、今のスマホとの違いを感じにくいのかもしれません。確かに写真を拡大して、カメラのダイヤルの文字をよく見ると、画質の粗さが分かります。ただわざわざ拡大しなければ、現代のスマホどころか、一眼ミラーレスカメラとの差も分からない人には判別しにくいかもしれません。
キーボードとコップですが、キーボードのところはけっこうざらつきを感じます。デスクライトを消して、明るくない室内で撮ったこともあり、全体的にそこまできれいに見えません。これはこれでいいのかもしれませんが、やはり物撮りではエモさみたいなものは、美的センスのない私にはあまり感じず。
被写体が人物であるポートレート撮影で、エモさが発揮されるのでしょうが、あいにく気軽撮っていい友人は誰一人おりません。ほとんど職場と自宅アパートを行き来するだけの一人で生きている人間。勝手に他人を撮るわけにもいかず、はなから人を撮ることは不可能。
とりあえず外に出て、ここ沖縄の風景をiPod touchで撮ってみることに。で撮ったのがこれ。
なんか暗い。撮った瞬間に太陽が雲に隠れていたこともあって、晴れた日の沖縄の鮮やかな青い海は何処へやら。ちょっと幻想的な感じはするのかもしれませんが、ちょっと暗すぎる。
太陽が出始めiPod touchと一緒に持って行ったX-S10を写してみました。
くっきりした解像感こそありませんが、海に反射した太陽光がなんかいい味を出している気がします。中央に写るカメラの奥の背景が、ボケているようにも見えますが、ピントがズレた感じにも見えます。ただ思った以上に悪くない。懐かしさみたいなのは感じませんが、個人的には写真として全然あり。
たった重量88gの小さな板から、これだけ写真が撮れることは予想外です。10年以上前に発売されたガジェットとは思えません。普段スマホで写真を撮る機会はあまりありませんが、今販売されている最高スペックのスマホであれば、さらに相当きれいな写真が撮れるんでしょう。ますますハイスペックのスマホが欲しくなってきました。
次にiPod touchで風景を広く写してみました。
やはり逆光で黒潰れというのか、船の暗くなっている箇所がぼやけてしまっています。このぼやっとした写りが「平成」っぽさなんでしょうか。よく分かりませんが。
次は、左手に太陽がある状態で海と空、遠くに沖縄の街が入るように写しました。
カリッとした写りとは全く違いますが、これはこれで好きです。やはり昔っぽいエモさは、風景を写してかもし出されるものではないのかもしれません。人を写した時に、肌や服の色の感じが懐かしい味を出すんでしょう。せっかく古いiPod touchを引っ張り出しましたが、ポートレートは出来やしないので、エモさは諦めるしかなさそうです。私が人にカメラを向けることは一生ありません。
夕方から撮影を始めて日が落ち始めました。空の青さがわずかに残り、夕日のオレンジと混ざった写真が次です。
個人的にはiPod touchでこれだけきれいな風景が撮れれば十分。いい意味で期待を裏切られました。もっと画質が悪く昭和感の強い感じになると思っていました。
写真の基本も分かっていない素人が撮ったものなので、カメラに精通された方はもっと、きれいに撮れるかと思います。カメラ初心者が一昔前のガジェットで撮影したものとして参考になればと思います。
また、今回APS-Cセンサー搭載の一眼ミラーレスカメラでも同じような写真を撮りました。自宅の大きめのPCモニターで確認すると、やはりiPod touchの写真と比較すると明らかな違いはあります。解像度はかなり違いました。
今回iPod touchで撮ってみて、撮った写真を広く見ると昔のiPod touchも想像以上にきれいでした。懐かしさとかエモさ以上に、ガジェットとしていかに優れているかを思い知らされました。普段スマホで風景は撮りませんが、悪くないかもしれません。というか、沖縄に来て10年以上経っても改めて感じますが、沖縄の夕方の海岸は最高です。