ラピッドトリガー対応のゲーミングキーボードは数多くありますが、自分に合ったものかは吟味する必要があります。例えば、アクチュエーションポイントが最短0.1mmに設定できるか、キーボードのサイズ感、ソフトフェアの使い勝手、打鍵感、デザインなど。意外と納得するものが少なかったりします。
コンパクトキーボードの中では性能面で妥協点がないVarmilo(アミロ) Victoryは、もしかしたら多くの人に刺さるゲーミングギアなのかもしれません。アクチュエーションポイントとラピッドトリガーの数値、ポーリングレートの数値では、これを書いている2024年3月時点でトップレベルの製品と言えます。

Varmilo Victoryとは
Varmiloは、2013 年に中国で設立されたキーボード ブランド。個人的に、ゲーミングデバイスというより、デザインに凝ったおしゃれな通常使いのキーボードを多く販売している印象が強いです。中には、メカニカル静電容量式スイッチのモデルも存在します。

可愛らしいデザインだけでなく選べるスイッチも豊富で、押下圧やキーストローク、打鍵音などが異なる軸を選べるのはキーボード専門店といった感じ。このVarmiloから磁気スイッチを搭載したのがVarmilo Victoryで、なかなかの高性能です。
性能面で目を引くのは、ラピッドトリガーとアクチュエーションポイントが最短0.1mmに設定可能な点と、最大ポーリングレートが8,000Hzである点です。他のラピッドトリガー対応のゲーミングキーボードでそう多くはありません。特にポーリングレートは1,000Hzのものがほとんどです。
Varmilo Victoryの主な仕様は下記です。
サイズ | 65%サイズ |
寸法 | 310×108mm |
接続 | USB Type-C |
ケーブル | 取り外し可能 |
最大ポーリングレート | 8,000Hz |
スイッチ | VARMILO×Gateron 磁気スイッチ |
スイッチタイプ | リニア |
初期押下圧 | 30g |
総合押下圧 | 50g |
キーストローク | 4.0mm |
アクチュエーションポイント | 0.1mm~4.0mm |
ホットスワップ | 対応 |
キーキャップ | PBT |
バックライト | 16種類のエフェクト |
ソフトウェア | 対応 |

アクチュエーションポイントとラピッドトリガーは0.1mmごとに調整可能。さらにキーごとにも調整ができるとのことで、ラピッドトリガーが不要なキーは無効にできます。
ポーリングレートが8,000Hzのラピッドトリガー対応キーボードは、現時点でそう多くはなく、Corsair K70 MAXとEverGlide AE68が思い当たります。今のところEverGlide AE68はAliExpressなどで購入する必要があり入手しにくく、Corsair K70 MAXはフルサイズのみと人を選びます。8,000HzにこだわるとVarmilo Victoryが最有力になるかと思います。
ちなみに、元祖ラピッドトリガー対応ゲーミングキーボードWootingは、8,000Hzに対応するWooting 80HEを発売予定。待望のテンキーレスサイズはすでに予約販売の受付が始まっていますが、送料を含めた価格の高さと注文から長く待たされる覚悟が必要です。以前Wooting 60HEを注文した際は、注文から自宅に商品が到着するまで約4ヶ月かかりました。

現状は性能面で妥協点なし、ただ気になる点も
Varmilo Victoryは、アクチュエーションポイントとラピッドトリガーの数値上、ゲーミングキーボードとしては申し分ないと言えます。ラピッドトリガー対応キーボードといっても、最短で0.1mmに設定できなかったりする場合もあります。
Amazonなどで誰しも買いやすいラピッドトリガー対応キーボードで言えば、高コスパのDrunkDeerは、アクチュエーションポイントは最短で0.2mm。この数値が特に気にならない人ならいいですが。

個人的には0.1mmと0.2mm差はほとんど気にしなくていいレベル。FPSなどのゲームの敗因を極限までゼロにしたい方のみ、0.1mmにこだわればいいかと思います。下記のラピッドトリガー対応キーボードは、最短0.1mm設定が可能で流通量も多いためか買いやすいです。
特にRazer Huntsman V3 ProとApex Proは、サイズ展開が60%/TKL(80%)/フルサイズの3種類で使う人を選びません。さらにワイヤレスにこだわるのであれば、Apex Pro ワイヤレス一択かと。他にもラピッドトリガー対応キーボードはありますが、今のところ希少性が高く入手しにくいものが多い印象です。
Varmilo Victoryに関しては、性能面で何ら心配する点は無いでしょうが、少し気になる点もあります。

まずは、デザイン面。どうしても好みは別れるかと。
個人的に初見でだいぶ思い切ったな、と思ってしまいました。いわゆる「ゲーミング」っぽさが濃い。どちらかというと落ちつたデザインが好きなので、独特の印字やロゴの圧がちょっと強く感じちゃいました。
ただ、ケースの質感はけっこう良さそうではあります。CNC加工されたアルミニウムケースとあって重厚感を感じます。

さらに、内部の構造もタイピングの時に衝撃を抑えるフォームも何層も入っているため、耳障りな空洞音が低減されるなど打鍵感にも配慮されています。質感や打鍵感はかなり期待できますが、外装の見た目は個人的にちょっと気になりました。コイルケーブな点は好きです。

さらに、入手のしやすさも気になります。
現状Varmilo Victoryは国内で、ゲーミングデバイス専門店ふもっふのおみせで購入することになりますが、これを書いている時点で在庫切れ。購入可能になった場合に通知メールを受け取ることは出来ます。
いつになるか分かりませんし、AmazonなどのECサイトでは見つけられませんでした。出来ることならすぐにポチれるようになってもらいたいです。

最後に、キー配列について。
65%サイズの中では、目立った特殊配列というわけではないですが、個人的に右端にPgUp/PgDnキー、Deletキーがある点が気になります。60%サイズの右端に一列追加してあるキーボードを使っていた頃、頻繫に使うEnterやBackSpaceなどの右から2列目のキーを押すたびに、誤って右端のキーも同時に入力してしまうことがありました。
私の雑なキータッチが原因でしょうが、誤入力が続くと小さなストレスを感じてしまうので心配ではあります。ただ慣れの問題でしょう。私のように気分次第でしょっちゅうキーボードを替えていると、特殊配列には戸惑います。
Varmiloキーボードといえば、ふんわりとしたデザインのイメージがありましたが、Varmilo Victoryはだいぶゲーミングっぽさを全面に出してきた感じがします。どちらかというと、Varmilo既存のゆるふわなキーボードでありながら高性能であればもっと良かったかなと、勝手に思っております。