神レンズとか銘玉/名玉とか呼ばれるレンズって何があるんでしょうか。新しいカメラのボディ選びばかりに気を取られ、レンズを調べることには時間を割いていないことに気づきました。
写真に詳しい方の発信を見る限り、カメラボディより、レンズの方が画質に与える影響は大きいようです。自分のような初心者は、ついボディ選びに必死になりがちですが、レンズ選びに時間をかけた方がいいのかもしれません。
今までの私の脳内では、カメラのボディを決めてから、そのマウントに合うレンズを探す。というのが当たり前になっていました。レンズが写りに与える影響が大きいのであれば、使うレンズを決めてから、そのマウントに合うボディを探す。と思考を変えるのも面白そうです。
このレンズを使ってみたい。心からそう思えるレンズを探してみます。世に無数にあるレンズの中から、手っ取り早く調べるために「神レンズ、銘玉、名玉」といったキーワードを手がかりにしてみます。
今使っているFUJIFILMの神レンズ
今使っている一眼ミラーレスはFUJIFILM X-S10。FUJIFILMの神レンズと呼ばれるのがフジノンレンズ XF35mmF1.4 Rです。購入価格は65,160円でした。
約65.0×50.4mmのコンパクトサイズのため、FUJIFILMのカメラに付ければミニマルな雰囲気で持ち運べます。重さは約187gと超軽量。2012年2月に発売とあって、AF(オートフォーカス)は最新のレンズや他社には明らかに劣りますが使えるレベルです。駆動音が大きいため動画には不向きですが、スナップには最適なレンズです。
散歩に行くときは決まってX-S10にこのレンズをつけて持ち歩いています。最近も、この装備で日没前に沖縄の海岸を歩きながら写真を撮ることがありました。
Xマウントのレンズは、このFUJIFILMの神レンズ以外では、SIGMA 18-50mm F2.8 DC DNとVILTROX 23mm F1.4 STMを持っています。SIGMAのズームレンズは59,944円、VILTROXの広角レンズは35,060円で購入しました。
この2つのレンズと神レンズで、室内のデスクの上を撮影して写りを比較してみました。
まず神レンズ。
ぱっと見、違いがよく分かりません。拡大してみるとキーボードの印字が神レンズがはっきりしているように見えます。単純に他のレンズの撮影の際に、ブレただけでしょうか。
室内の物撮り程度では写りの「神」ぶりが明らかにならないのかもしれません。確実に言えることは、軽量でコンパクトな点。SIGMAのズームレンズは61.6×76.8 mmで285 g、VILTROXの広角レンズは65×72mmで260g。これに対して神レンズは65×50.4 mmで187 gとけっこうな差があります。
このサイズ感でありながらFUJIの描写を実現している点が評価されているのかもしれません。
他のメーカーで神レンズとか銘玉/名玉とか呼ばれるレンズはどういったものがあるのでしょうか。自分なりに調べてピックアップしてみます。
各メーカーごとの神レンズ・銘玉/名玉を探す
写真に精通されている方や、カメラを販売する専門業者の方の発信、あるいは何者かによって発せられたネットに転がる情報を元に集めてみました。神レンズの厳密な定義は無いのでしょう。何をメインにどこで撮るかによっても、レンズに求められる要素は変わるので、神レンズや銘玉/名玉は人それぞれ。ただ、プロや写真好きが認めるレンズであれば、その中に自分に刺さるレンズがあるはずです。なお下記のレンズの値段は、2024年7月初旬に価格.comを参考にしています。
SONYの神レンズ
SONYの神レンズとして、FE 50mm F1.2 GMを上げる方が多い印象です。
87×108mmで約778g。フルサイズ用なので当然ですがFUJIFILMの神レンズと比較にならないほどの重量級です。価格は安くても27万円ほど。YouTubeで発信される方の中で、他のSONYのレンズと比べても違和感があるほど写りがいいという声も聞きます。
もしこのレンズを使うことを考えると、コンパクトなボディのα7CⅡやα7CRだと前重心になって安定性に欠けそうです。ボディが小さくてもレンズが大きいと、見た目的にも違和感があるかもしれません。
もしこのレンズを取り付けるのであれば、グリップのしっかりとしたα7RⅤなどのように、がっしりとしたボディが良さそうです。
この他にも、SONYの神レンズとして、FE 24-70mm F2.8 GM IIを挙げる方もいるようです。いわゆるF2.8通しの大三元レンズ。SONYで最高峰のレンズG MASTERは一度でいいので試したいものです。
Canonの神レンズ
Canonの神レンズとして、RF70-200mm F2.8 L IS USMのズームレンズを挙げる方を目にしました。
ズームレンズなだけに89.9×146 mmで1070gと超重量級。バズーカとまではいきませんが、35万円ほどもするガチのやつです。
確かにこれ1本あれば、広角を除けばもう何のレンズも要らなくなりそうです。出来ればもう少しコンパクトで、価格の抑えられた神レンズは他にないんでしょうか。
Leicaの神レンズ
LeicaのM11をはじめとするMシステムのレンズで、最高峰とおぼしきレンズがApo-Summicron M F2 50mm ASPH.です。
フルサイズのカメラに装着するレンズでありながら、約53×47mmで300gと意味わかんないぐらい超小型。130万円越えとこれまた意味がわからん値段です。
F2.0とそこまでF値を下げられるわけではありませんが、きわめてシャープな描写力とのこと。死ぬ前に一度は触れてみたいレンズです。
ちなみに、Apoとはアポクロマート補正のことで、特に色にじみが少ないようです。Summicron(ズミクロン)は、LeicaレンズでF2のものを指します。ASPH.は、Aspherical design(非球面設計)の略。
また、Noctilux M 50mm F0.95 ASPH.を銘玉/名玉と挙げる方もいるようです。約73.1×75mmで700gのサイズ感。価格は200万円ほど。富豪に生まれ変わったら買うことにします。
Nikonの神レンズ
Nikonoの神レンズとして取り上げられるのがNIKKOR Z 85mm f/1.2 S。
これを書いている時点で、カメラやレンズの独自スコアを掲載しているDXOMARKで、レンズの中で最も高く評価されています。102.5×141.5 mmで1160gと単焦点レンズとは思えないほど大きいレンズです。Nikonのしっかりとしたカメラボディであれば筐体全体としてのバランスは取れそうですが、けっこうな総重量を覚悟する必要があります。価格も35万円ほどで推移しています。
ネットで調べる限り、神レンズは各メーカー1つとは限らず、人によって意見が分かれるようです。その中で目に留まったレンズを挙げましたが、FUJIFILMの神レンズと違って、どれもそれ相応の価格です。もう少し価格が抑えられた神レンズはないんでしょうか。今後も探してみます。