近頃はフルサイズセンサーを搭載するカメラを探す日々が続いています。よりきれいな風景写真を撮りたい一心で、高画素機を価格.comで最安値を調べては、価格の高さに絶望しています。
フルサイズカメラで、撮影可能枚数が500枚以上とバッテリー持ちがいいカメラを探すと、安価な部類として出てくるがSONYのコンパクトシリーズです。2024年6月時点で発売されているのは、α7C、α7CⅡ、α7CRの3機種です。いずれもフルサイズでありながら500g程度と超軽量で性能も高く魅力です。
α7Cは、2020年に発売、約2420万画素でありながらズームレンズキットでも676gに収まるモデルです。3機種の中でも最もバッテリー持ちが良く、現時点で中古価格が15万円ほど。手を出しやすい価格帯で手軽なスナップにも良さそうです。
α7CⅡは、2023年に発売、約3270万画素、α7Cよりスペックが強化されたモデルです。ボディ内手ぶれ補正は5段から7段に、プロセッサーもAFもファインダーも、コンパクト形状を維持しながら多くの点で前作を上回っています。
α7CRは、α7CⅡと同時に発売された、約6100万画素の高画素モデルです。コンパクトながらα7RⅤと同じ画素数を実現しています。その分お値段は3機種の中で最も高価です。
フルサイズカメラを探す中、価格.comで下記の条件で絞って、安い順に並べ替えてみました。
- フルサイズ
- 画素数2400万画素以上
- 撮影枚数500枚以上
- ボディのみ
すると、1番目にα7C、3番目にα7CⅡが出てきます。2番目のα7Ⅲは2018年に発売された少し古いモデルです。α7CRは、ディスコンになっているα7RⅢ、2021年発売のα7Ⅳとα7RⅣ、2022年発売のEOS R6 Mark IIの次に位置していました。
α7CRは1つ上の価格帯にはなりますが、SONYのコンパクトシリーズ2機種は、バッテリー持ちがいいフルサイズカメラとして、比較的手が届きやすい価格です。値段的にもスペック的も、初めてフルサイズカメラを買うのであればここが狙い目だと思います。
私がフルサイズを探している理由は、主にきれいに風景写真を撮りたいから。今使っているFUJIFILM X-S10でもなかなかきれいな写真が撮れます。ただ、APS-Cセンサーでバッテリー持ちが悪いので、より大きいフルサイズセンサーでバッテリー持ちがいいカメラをさらに欲しくなっているのです。
バッテリー持ちが良く、フルサイズカメラの中で手頃な価格帯のSONYのコンパクトシリーズ。いざこれを購入すると想定した場合、レンズ選びをどうするかも重要です。出来るだけきれいに撮りたいのでいいレンズを取り付けたい。
α7C,α7CⅡ,α7CRに合ういいレンズがない?
SONYのEマウントのレンズを少し調べてみると、すぐに、コンパクトカメラに合ういいレンズが少ないことに気づきます。一概には言えませんが「いいレンズ」は大きく重いものが多いようで、小さく軽量なボディに不釣り合いなレンズばかりが目に入ります。
小さく軽量なボディに、大きく重いレンズを取り付ければ、せっかくのコンパクトな外観や携帯性は失われます。撮影時にカメラを手に持つと、前に重心が偏り安定しないことが想定されます。さらに、ボディがコンパクトのため、カメラのグリップもそこまで深くない点も気になります。
SONYのコンパクトシリーズにデカいレンズをつけると、せっかくのコンパクトさが失われ、撮影時のカメラの取り回し不安定になってしまう。そんな不安が頭をよぎります。
そこで品質が高いと評価されるレンズの中で、α7C,α7CⅡ,α7CRに合うレンズを探してみることにします。コンパクトシリーズに「合う」というのは、正直カメラの使用者の感覚に次第。ここでは、私の個人的な感覚で600g以下という条件を勝手に設定してレンズを探します。ボディと合わせて1kg超えるぐらいの重さ。
SONY G Masterレンズ
Eマウントでいいレンズなら、ソニーの最高級レンズのG Master。この中から600g以下のレンズをピックアップしています。2024年6月時点で、SONYの公式サイトで調べてみると19種類で、次の5種類が600g以下。調べた時点で、価格.comの最安値を表示しています。
約547g、最大径87.8mm×長さ111.5mm、275,800円、2023年9月発売、600gを切るG Masterレンズ唯一のズームレンズ。
2つ目、FE 14mm F1.8 GM。
約460g、最大径83mm×長さ99.8mm、168,000円、2021年5月発売、超広角レンズ。
3つ目、FE 24mm F1.4 GM。
約445g、最大径75.4mm×長さ92.4mm、159,800円、2018年10月発売、調べる限りG Masterレンズ最軽量。
4つ目、FE 35mm F1.4 GM。
約524g、最大径76mm×長さ96mm、173,000円、2021年3月発売、35mmで使用頻度の高い焦点距離。
5つ目、FE 50mm F1.4 GM。
約516g、最大径80.6mm×長さ96mm、169,800円、2023年4月発売、焦点距離50mmのいわゆる標準レンズ。
以上5つです。
どれもレンズの長さは10cm前後と、コンパクトなカメラにつけても、機動力を損ねるほど大きくはならないかと思います。ただ5つともGMレンズだけあって15万円以上する高級品。そう簡単に手を出せるものではありません。サードパーティ製で、グレードの高いレンズも調べてみます。
SIGMA Artライン
SIGMAはEマウントのレンズも販売していて、Art/Contemporary/Sportsの3つのプロダクト・ラインが存在します。中でも、芸術的な表現力に力点をおいて開発され、サイズや多機能性に優先して「とにかく描写性能」に特化したのがArtラインです。2024年6月時点で、EマウントのArtラインのレンズは14種類で、600g以下は次のたった1つだけでした。
520g、最大径75.7mm×長さ97.5mm、103,280円、2022年8月発売、SONYの同じF値と焦点距離のレンズより安い。
600g以下は1つのみでしたが、SIGMA Artラインには600g台前半のEマウントレンズが3つあります。やや重くなりますが、いいレンズに変わりないので検討の余地はありそうです。
635g、最大径87.8mm×長さ111.2mm、117,000円、2022年 8月発売、先ほどの24mm F1.4と同時期に発売した広角レンズ。
645g、最大径75.5mm×長さ109.5mm、90,915円、2021年5月発売、こちらもSONYの同じF値と焦点距離のレンズよりかなり安い。
630g、最大径82.8mm×長さ94.1mm、158,500円、2020年8月発売、ポートレート用レンズの代名詞の85mm F1.4。
以上600g台前半の3つです。
α7CなどのSONYのコンパクトシリーズに合ういいレンズとして、SONYのG MasterレンズとSIGMAのArtラインから候補を挙げました。実際は、この2つのメーカー以外でも、小型軽量のいいレンズがあるはず。今後も、小さいカメラにも合う、描写性能に特化したレンズを探してみます。
個人的には、買うんだったらα7CⅡとSIGMAの35mm F1.4 DG DN Artの組み合わせがいいかと。価格的にも抑えられ、焦点距離35mmは汎用性も高いため、フルサイズの描写力をいろんな撮影場面で体感できると思います。