ゲーミングマウスでは知る人ぞ知るEndgame Gear。
特に有線マウスのXM1rは名作で、Fortniteで異常なほど活躍したbenjyfishy(ベンジーフィッシー)が使用していたことでも有名です。マウス後方が高くなり膨らむ形と、一見広く見える横幅はサイドが大きく窪んでいるためグリップ感に定評があるマウス。
さらに、類似形状で軽量化と無線化を実現したXM2weとOP1weなどが発売されています。2つのマウスは2023年12月時点で1万3千円ほど、この価格帯とは思えぬ性能です。
Endgame Gearと言えば秀逸なマウスのイメージが強いですが、ゲーミングキーボードが登場します。しかもラピッドトリガーに対応するとのこと。
Endgame Gear KB65HE
Endgame Gear初のゲーミングキーボードは、Endgame Gearの公式X(Twitter)によると1月上旬より販売開始とのことです。ただ地域によって異なるため、日本国内での発売は遅れるのかもしれません。
価格は159.9ユーロ、日本円では約25,000円ほど。国内ではもう少し高くなるのかなと。
ドイツ語ISO配列から発売し、順次US配列(英語配列)も発売予定。ただJIS配列(日本語配列)の情報はないため、当面JIS配列の発売は期待できないでしょう。
現時点で公式サイトに掲載されている、主な仕様は下記です。
RGB | 対応 |
PCB ダンパー | シリコン |
ケースダンパー | シリコン |
プレート | アルミニウム |
ケース | アルミニウム |
キーキャップ | PBT |
Nキーロールオーバー | 対応 |
アンチゴースト機能 | 対応 |
寸法 | 315×108.8×37.2mm |
重さ | 1050g |
カラー | 黒 |
最大角度調整 | 7.5° |
最小角度調整 | 5° |
ポーリングレート | 1,000Hz |
接続タイプ | USB-A to USB-C |
ケーブル | 編組コード |
ケーブルの長さ | 180cm |
サイズ | 65% |
キーレイアウト | ISO※US配列登場予定 |
キーボード言語 | ドイツ語 |
ホットスワップ | 対応 |
スタビライザー | 潤滑済み |
スイッチ | Gateron KS-37B 磁気スイッチ |
スイッチタイプ | MX |
キーストローク | 4.0mm |
押下圧 | 30~50g |
耐久性 | 1億5,000万回 |
アクチュエーションポイント | 0.1~4.0mm |
対応OS | Windows/Mac/Linux |
キースイッチはルブ済みで、潤滑剤が施されているようです。また、ソフトウェアにも対応予定。
性能面
スイッチはGateron製のKS-37Bと呼ばれる磁気スイッチを搭載するようです。以下公式サイトからの画像です。
デュアルレール構造のこのスイッチは、スムーズなキーストロークと高い耐久性を実現しているとのこと。スイッチの耐久性が1億5,000万回というのは、他のラピッドトリガー対応キーボードにあまり見ません。
可変アクチュエーションポイントは、0.1~4.0mmで調整可能とあって、数値上は最高峰のゲーミングキーボードと呼べるかと思います。これらの設定やRGBの調整などは、ソフトウェア上できるようです。
ゲーミングキーボードによく搭載されている機能にも対応。複数のキーが同時に押された時に、押された順序に従ってすべて認識されるNキーロールオーバー。複数のキーが押された時に、キー入力を正確に検知し誤入力を防ぐアンチゴースト機能。他にも、キーボードのキーに特定の機能を割り当てるキーバインドにも対応しています。
作りと外観
ケースはCNC加工されたアルミニウムケース。性能面でトップレベルと呼べる大手メーカーのHuntsman V3 ProやApex Proなど、多くはプラスチックケースです。
性能面だけ重視する人なら外観は気にならないでしょうが、質感にもこだわり少しでもチープ感がないものが良い人には嬉しいですね。重量が1kg越えとずっしりしてます。ゲームでは軽すぎるキーボードを使っていると、背面に滑り止めがついていても、ずれてしまうことがあります。こうした心配はないでしょう。
内部の構造では、シリコン素材のPCBダンパーとケースダンパーが組み込まれ、打鍵時の雑音が抑えられているようです。
キーボードの角度はデフォルトでは5°ですが、チルトスタンドがついていて1段階角度を上げることができます。個人的には要らないですが、中にはゲームの時に角度をつけたい人もいるようです。ラピッドトリガー対応キーボードではELECOM VK600Aなども角度をつけることができます。
キーキャップは、DuckyとコラボしたダブルショットPBTキーキャップ。長期間の使用による光沢を抑えたり、表面が滑りにくい加工が施されているとのことです。
Duckyは、1998年に台湾で創業した比較的歴史のあるメーカーです。Ducky One 2をはじめとするメカニカルキーボードを中心に販売していて、次の画像のようなバリエーション豊富なキーキャップも有名です。
ちなみに、今回のEndgame Gear KB65HEのカラーはブラック一択。Endgame Gearというブランドを考えると、今後も奇抜なカラー展開は考えにくく、別カラーが出されたとしてもホワイトといったシンプルなものになるのではと勝手に予想しています。
国内では流通するか
Endgame Gearのマウスの多くは、Amazonで容易に購入することが出来ます。それを考えると、恐らくラピッドトリガー対応キーボードであるKB65HEも購入可能になるのではと思ってます。
ただ、この159.9ユーロの約25,000円で需要がどれだけあるか気がかりです。65%サイズのラピッドトリガー対応キーボードは、現時点で既に多数存在しています。
現時点でも既に数多く、今後はさらに増えるでしょう。
コストパフォーマンスであればDrunkDeer G65が1万円台で購入できますし、2万円前半ではELECOM VK600Aが国内メーカーということで安定供給面で強い。価格の面では、Endgame Gear KB65HEは勝てないかもしれません。
また、ふもっふのおみせから購入できる海外メーカーのArbiter Studio Polar 65とHiground Performance Base 65は、ラピッドトリガーに対応しながら、質感と打鍵感にも定評があります。これらのゲーミングキーボードよりも、遥かに魅力的な打鍵感でなければKB65HEは選ばれないのかもしれません。
あまりにも多くのラピッドトリガー対応キーボードが乱立する中、突出する何かがEndgame Gear KB65HEにあれば需要は高まるのでしょう。私の見る限り、公表されたスペックからは目新しさはないようです。
1つ心配な点としては、メーカー初のゲーミングキーボードということもあって、その動作が安定しているか気になってしまいます。例えば東海理化というメーカーが、ZENAIMキーボードを販売した直後は不具合や対応でのトラブルが発生。メーカー初のキーボードというのは、何かしらトラブルが起きやすいのではと邪推しています。ちなみにその後ZENAIMキーボードは不具合などが改善され、むしろ最高峰のゲーミングキーボードとなりましたが。
KB65HEは、発売日や国内販売価格、ソフトウェアの使い勝手・日本語対応の有無など不明な点も多々ありますが、ネガティブな予想を打ち砕くような製品であってほしいです。