新たなゲーミングマウスを探していると、やたらと光沢感のあるマウスを目にすることが多くなっています。どうやらマウスの素材が、従来のプラスチックではなくマグネシウム合金が採用されているようです。
マグネシウム合金とは
マグネシウムを主成分とした他の元素を混ぜたものを指すようです。
マグネシウムは、一般に工業製品などに使われる金属の中で最も軽量とされ、強度に優れているとのこと。へこみや振動を吸収することにも優れていて、カメラのボディ部分や揺れが悪影響となるノートPCのハードディスクなどにも使われているようです。
マグネシウム合金をマウスに使用することで、強く握られても強度の面では問題なく、さらなる軽量化が期待できるのが容易に想像できます。
個人的には、このマグネシウム合金の素材がゲーミングマウスに使われることを初めて耳にしたのはFinalmouseの製品。もしかしたらもっと早くに取り入れられているのかもしれませんが。
Finalmouseのマグネシウム合金を採用したモデル
FinalmouseのStarlight-12と呼ばれるシリーズでは、私の調べる限り以下のような7つのモデルが数量限定で販売されていました。
- Pegasus
- Poseidon
- Phantom
- Zeus
- Hades
- Ares
- Achilles
いずれも発売直後に売り切れ、189.99ドル(約3万円ほど)で販売された製品は、今では10万円を超えるような転売価格になっているようです。白や黒といった単色ではなく芸術作品のような外観と50gを下回る超軽量マウスです。Starlight-12の「12」はマグネシウムの元素番号に由来するなどコンセプトのこだわりがうかがえます。
恐らく、FinalmouseのStarlight-12が世に出てきたことが、マグネシウム合金製のゲーミングマウスの始まりではないでしょうか。勝手な想像ですが。
Finalmouseは以前からハニカムシェルの軽量ゲーミングマウスを販売していおり、私自身も何年か前にUltralight 2 CAPE TOWNを購入しました。
約47gで約116mm×54mm×36mm。2019年にFortniteのワールドカップで優勝した当時16歳のBughaが、同じメーカーのマウスを使用していたこともあり飛びついて買いましたが、小さすぎ軽すぎですぐに使わなくなりましたが。
ちなみに、こういったハニカムシェルでなくても、マグネシウム合金でもなくても、別の素材を取り入れることで超軽量マウスを実現した製品も存在します。
(余談ですが)たった24gのマウスも存在
ドイツのZaunkoenigが製造販売するM2Kというマウス。
重量わずか24g。
素材は、今回取り上げているマグネシウム合金ではないですが、カーボンファイバーが使われているとのこと。また、サイドボタンがないことや、79mm×60mm×30mmという超小型であることで超軽量を実現しています。ゲームでの使用は、つまみ持ちに限られるでしょう。
お値段なんと価格は299ユーロ、日本円で約50,000円ほど。ちなみに後継機のM3Kも発売予定と公式サイトに記載してあります。
ゲーミングマウスは、形状や性能だけでなく素材も限りなく進化しているのが分かります。このカーボンファイバー製と、マグネシウム合金製が新たにゲーミングマウスを席巻するかもしれません。とりあえず今回はマグネシウム合金のマウスを調べてみます。
マグネシウム合金のゲーミングマウスたち
先ほどマグネシウム合金のFinalmouse Starlight-12を調べていると、なんとも美しく質感も良さそうで完全に惚れてしまいました。またしても物欲に火がついたわけで、マグネシウム合金製のマウスを集めてみようと思います。
まず1つ目は、Pwnage StormBreaker。主な仕様は下記です。
表面加工 | マットコーティング |
重量 | 約51g |
サイズ | 122mm×64 mm×42mm |
ソール | 100% PTFE または ガラス(別売) |
ボタン数 | 5 |
USBタイプ | Type-C |
ケーブル | USB Type-C パラコード(長さ2m) |
接続 | 無線 |
センサー | PAW 3395 |
DPI | ~26,000 DPI |
最大加速度 | 50G |
最大速度 | 650IPS |
MCU | Nordic nrf52840 |
ポーリングレート | 2000 Hz |
バッテリー | リチウムイオン300mAh |
バッテリー寿命 | 最大120時間 |
充電時間 | 約2時間でフル充電可能 |
スイッチ | Sorted Omron 20M |
耐久性 | 2000万回 |
はやりマグネシウム合金となると軽い、51g。価格は約25,000円。
性能面も申し分ないですが、耐久性が2000万回と表記があり、1億回とか5,000万回とか見慣れているため少な目かなという印象を受けました。
また、Pwnage StormBreakerの最大の特徴はセンサー位置をマウスの前後で変えられることです。マウスを振った時の感覚に違和感がある場合は、微調整することで解消されるかもしれません。
2つ目はWLmouse BEAST X。主な仕様は下記です。
サイズ | 122mm×62mm×37mm |
重量 | 39g~42g |
接続 | 2.4GHzワイヤレスおよび有線経由 |
ボタン数 | 5 |
センサー | PAW3395 |
DPI | 50~26000 DPI |
最大加速度 | 50 G |
最大速度 | 650 IPS |
MCU | Nordic nrf52840 |
ポーリングレート | 4000 Hz |
やはりかなり軽量ですが、こちらはパープルやゴールドなどカラー展開が7種類と豊富です。スペックを見る限り申し分ないですが、こんなにスッカスカで耐久性はあるのか心配になります。価格は139ドル(約21,000円)と表記されています。
3つ目はRazer Viper Mini Sigunature Edition。主な仕様は下記です。
接続仕様 | Razer HyperSpeed Wireless 有線SpeedFlex USB Type-Cケーブル |
バッテリー持続時間 | HyperSpeed Wirelessで最大60時間(1000Hz) HyperPolling Wirelessで最大12時間(8000Hz) |
RGB | なし |
センサー | FOCUS PRO 30Kオプティカルセンサー |
最大感度 | 30000DPI |
最大速度 | 750IPS |
最大加速度 | 70G |
ボタン数 | 5 |
スイッチのタイプ | 第3世代オプティカルマウススイッチ |
耐久性 | 9000万回 |
オンボードメモリプロファイル | 1 |
ソール | 100%PTFE |
サイズ | 119 mm×62 mm×39 mm |
重量 | 49g |
2023年11月時点で最高峰のスペックのゲーミングマウスと言って間違いないでしょう。その分、価格は279.99ドル(約42,000円)。
現状、Razer公式サイト限定で数量限定で販売されていて、名前やメールアドレスを登録することで通知を受けることができるようです。
いくつかマグネシウム合金のゲーミングマウスを調べましたが、いずれも明らかに質感が異なり何とも魅力的です。半面、技術的にまだ大量生産ができないのではと勘繰っています。現時点では、けっこうなお値段がする上に、なかなかAmazonなどのECサイトで簡単に購入できるようなものではないようです。
また、見たこともないぐらい穴あき構造のマウスもあり、耐久性は大丈夫なのかとか、埃が入って不具合が起きないかとか、グリップできるのかとか、勝手に想像を膨らませることになりました。